全国研究発表大会について

この大会は、全国の高等学校家庭クラブ員が一堂に会し、日ごろの活動の中から優れた実践研究の成果を発表し、研鑽し合うとともに、情報交換などを通して学校家庭クラブ員相互の交流を深めることを目的としています。
昭和28年から始まり、開催都道府県は各ブロック持ち回りで行っていますが、令和4年度で第70回を迎えます。

毎年、全国の家庭クラブ員と指導にあたる顧問教諭や成人会長・指導主事など約1,200〜 1,500名の参加のもと、7月下旬~8月上旬に2日間開催されます。
また、この大会は、生徒の力で運営され、開催県の家庭クラブ員は大会準備から本番までさまざまな形で大会の運営に参加しています。
今日、私たちを取り巻く社会の状況は大きく変化し、国際化・情報化・科学技術が進展する一方で、地球温暖化などによる環境問題の深刻化、少子高齢化の一層の加速など様々な課題を抱えています。そのような中、真に豊かな住みよい社会をつくるために、家庭生活や地域の現状を見つめ、よりよい生活を目指して実践する態度が求められています。家庭科の学習を基礎として、このような視点で実践研究が進められることは、今後の社会を支える人材育成のためにも極めて意義のあることと思われます。

研究発表はホームプロジェクトの部と学校家庭クラブ活動の部に分かれ、9ブロックを北海道、東北、関東、中部・北陸、近畿、中国・四国、九州の7つにまとめ、その地区から各部門一つずつの発表があります。部門ごとに優秀な発表に文部科学大臣賞、産業教育振興中央会賞、開催都道府県教育委員会賞、全国家庭科教育協会賞が授与されます。また、平成14年度の50回北海道大会から、その記念として全国研究発表大会に参加した各クラブ員の投票により最高点を得た研究発表にはクラブ員奨励賞が授与されるようになりました。
また、この様子は機関紙FHJ誌No.3特集やDVDを作成し、教科資料として頒布しています。

題目の変遷

昭和20年代、30年代、40年代は「台所の改善」「農村の食生活の改善」「農業の作業着の改善」などが目立ちました。昭和50年代より衣服のリフォームや家族とのコミュニケーション、高齢者とのかかわりを題材にしたものが多く見られるようになりました。男子のクラブ員の参加が増えた平成6年以降は環境問題や、福祉、家族の健康、高齢者との交流、地域の特産物を生かした研究や近年の地震、水害などの災害の発生により防災に注目した研究なども多く見られるなど、時代の特色がよく表れてきています。男子生徒も文部科学大臣賞を受賞しています。平成17年度以前は認められなかった商品化に向けた研究も、平成15年度からの教育課程の改訂に伴い、地域への活動の広がりから、発表の対象としてもよいことになりました。